なぜ有料公演にこだわるのか
赤字を覚悟してでも、私が 2023 年から毎年「有料公演」という形にこだわるのには理由があります。それは、子どもたちに“本物の舞台”を経験してほしいから。
発表会は、家族や関係者の前で披露する場です。もちろんそれも大切な経験ですが、観客の多くが“応援してくれる身内”であることが、どこかで子どもたちに甘えを生みます。「失敗しても大丈夫」「恥ずかしいのは自分だけ」——そんな空気が残ってしまうことも少なくありません。
でも、有料公演は違います。
チケットを購入し、期待を持って劇場に足を運んでくださる“知らない誰か”の前に立つ覚悟が求められます。観客の目は、プロの舞台と同じようにシビアです。だからこそ子どもたちは「恥をかけない」と思い、稽古の質が変わり、自主練にも本気で向き合い始めます。仲間と励まし合い、時に涙を流しながら、自分の課題に立ち向かう日々。
そして迎える本番。当日、カーテンコールで浴びる見知らぬ人たちからの拍手喝采。そのとき、舞台上の子どもたちは、晴れやかで誇らしい表情をしています。「やり切った」「伝わった」「認めてもらえた」という、何にも代えがたい成功体験。そこには、自分の力で壁を越えた実感と、出演者みんなで作品をつくり上げた達成感があります。
私は、この経験こそが、子どもたちの人生にとって宝物になると信じています。子どもたちの可能性と未来に投資し続ける価値が、ここには確かにあるのです。


公演終了しました。
たくさんのご来場ありがとうございました!

