長野県上田市に生まれた私は、小学生の頃から合唱部で歌に親しみ、高校時代にミュージカルと出会いました。「舞台の世界で生きていきたい」という想いを胸に、両親を説得して上京。舞台経験を重ねる中で、演技・ダンス・歌を通して人が輝く瞬間に立ち会うことの喜びを知りました。
出産・子育てを経て、一時舞台から離れましたが、いつかまたミュージカルの世界に戻りたいという気持ちは消えることがありませんでした。2021 年に病に倒れ、14 日間の入院生活の中で「私は本当に何がしたいのか」と自問自答し、その答えが、ここ山形の地でミュージカルを通して、“子どもたちの可能性を広げる場の提供をしたい“という想いでした。
山形には演劇があって、ダンス教室もボーカルスクールもあります。しかし、子どもたちがミュージカルという総合芸術を継続的に学び、本格的な舞台に立つ機会はほとんどありませんでした。
「歌が好きだから音楽の先生に」「踊りが好きだから体育の先生に」 ──それだけではなく、 “ミュージカル”という道があることを、子どもたちに届けたい。ミュージカルの歌や表現を通して自らの心の在り方に気付き成長できるということを伝えたい。当団体は地域の子どもたちに夢を追う力と、舞台に立つ喜びを届けるために活動しています。これは私にしか果たせない使命であり、ここ山形だからこそ、意味のある活動だと確信しています。
「田舎だから無理」「山形だからできない」──そんな理由で、子どもたちの夢や挑戦の場が失われてはなりません。夢を描き、挑戦する権利は、どこに生まれ育っても平等であるべきです。強い信念と覚悟を持って「山形子どもミュージカル」の立ち上げを決意しました。

